2021年7月、産後ケアリストの川村美星さんの著書「パパになる前に知っておくべき11のこと」（幻冬舎）が出版されました。
川村さんは、京都で約70年の歴史ある産婦人科の産後ケアセンター長として多くのパパ・ママの悩みと向き合ってきた産後ケアリストです。
こうした産後ケアへの積極的な取り組みが出版社の目に留まり、出版に至るまでのお話しを、著者の川村美星さんに伺いました。

「昨今、産後ケアの重要性が世の中でだんだん認識されるようになってきました。
その一つとして、2021年４月に「母子保健法の一部を改正する法律」が施行されました。
この法律により、市町村は心身の不調や育児不安などを抱える産後１年以内の母親とその子ども（幼いきょうだいを抱える経産婦、父親も含む）を対象に、産後ケア事業を行うように努めなければならない、とされています。

各自治体レベルで産後ケア事業が義務化された今、産後ケアのニーズも高まり書籍執筆のオファーをいただきました。当初はママ向けの本として出版する予定でした。
しかし、産後ケアセンターで休養をとり気持ちが軽くなって元気に帰られたママでも、家では周りの方からの理解が得られず、再び気持ちが落ち込んでしまう方が少なくないことも経験上、わかっていました。

このことから、ママにだけ産後ケアを語るのではなく、周りの方、特に一番身近なパパにも、産後のママのこころやからだを理解してもらうことが重要では？と考えました。
また、育児書はいろいろあるものの、ママに寄り添うことの大切さについて書かれたパパ向けの本があまりないことにも気づきました。

産後ママにとって救いになる本とはどういうものか？を考え抜いた結果、『パパ』がキーマンになる、という結論に至りました。
このテーマに至るまでが試行錯誤でした。」（川村さん）

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