現代女性を取り巻く環境と問題点として「地域社会との関係の希薄化」も挙げられます。
「平成25年国民生活基本調査」では、「近所との付き合いの程度」の調査結果として、1975年には85%程度の方が「近所の方と付き合っている」と回答しています。
実際、1970年代頃には、東京の下町でも「田舎から野菜がたくさん送られてきたから」と近所のおばあさんが煮物を鍋に入れて持ってきてくれたり、旅行に出かけると近所にお土産を買ってくる、といった習慣がありました。
ところが、2000年になると「近所の方と付き合っている」と答えた方の割合は約50%となり、2007年には約40%までに低下しています。
特に都心部での子育ては、地域社会から孤立しがちになるので注意が必要です。
都心部では、マンション住まいが多いため、近所との付き合いが少なくなっている、といったことは、以前から言われてきたことです。しかし、それだけではありません。
近年では、近所の産院ではなく、大学病院や総合病院などでの出産が増え、妊娠から産後にかけてママ同士のつながりが築きにくい、という点も挙げられます。
また、情報、生活産業、移動・交通システムなどが発達していて、健康であれば他人とかかわりを持たずに生活することができるため、自分から積極的に地域社会に参加しなければ、簡単に孤立してしまうことがあるのです。