母親等がDV被害にあうことに加え、子どもがその被害にある児童虐待も大きな社会問題の一つです。子育ての不安感やストレスの蓄積から、母親の心身が不安定になり、虐待にまで発展してしまうケースが多く見受けられます。
厚生労働省のデータによると、児童相談所での児童虐待相談対応件数は1999年には約1万1千件だったのに対して、2013年には約7万3千件と6倍以上に増えており、2015年には10万件を突破しています。
相談内容は、身体的虐待が35.3%と最も多く、次いで心理的虐待が33.6%、ネグレクト(28.9%)、性的虐待(2.2%)の順になっています。近年では身体的虐待やネグレクトの割合が低下し、心理的虐待の割合が上昇しています。
また、虐待による死亡は、10年前と比べて2倍に増加しているといいます。
被虐待児の年齢は3歳未満が19.2%、3歳から学齢前が24.0%と、学齢前の子どもが4割以上を占めており、虐待は子どもが幼い頃から行なわれるケースも少なくありません。
主たる虐待者で最も多いのは実母で57.3%、次いで実父(29%)となっており、母親による児童虐待が多いことも見逃せません。