ニッポンの産後ケア

【産後ケアリストの必要性と活躍の場.12】
〜児童虐待、3つの要因〜

近年増加傾向にあり、大きな社会問題として取り上げられることも増えてきた「児童虐待」。
ではなぜ、児童虐待が起きるのでしょうか?

その要因は大きく3つある、といわれています。親の要因、子どもの要因、そして養育環境要因です。

親の要因には、妊娠、出産、育児を通して発生するもの、保護者自身の性格あるいは精神疾患などの心身の不健康から発生するものがあります。
望まない妊娠で妊娠そのものを受け入れられない/生まれた子どもに愛情を持てない/保護者が未熟で、育児不安やストレスが蓄積しやすい/マタニティブルー、産後うつ病、精神障害、知的障害、慢性疾患、アルコール依存、薬物依存等により心身が不安定になりやすい/保護者自身が虐待経験を持っている/攻撃的、あるいは衝動的な性格…などがあります。

子どもの要因として、子どもの側に何らかの育てにくさがある場合などが考えられます。
たとえば、「手のかかる子ども」と母親が認識しやすいのが、よく泣く子どもです。
また、未熟児、障がい児など出生後に母子分離を経験している場合も母子相互作用の確立が難しく、虐待の要因となることがあります。

養育環境の要因には、複雑で不安定な家庭環境や家族関係、夫婦関係、社会的孤立や経済的な不安、母子の健康保持・増進に努めないことなどがあります。
具体的には、家族や同居人、住む場所が変わるなど、生活環境が安定しない/家庭内で夫婦の不和やDVが起こっている/親戚や地域と関わりを持たず、孤立している/失業、または仕事が安定していないなどで、経済的に行き詰っている/母子ともに必要な定期健診を受けていない…などがあります。

PAGE TOP